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法学の存在意義

まあ普段は政治学の学徒を自認しておりますが(自任ではないことに注意。笑)、
一応法学部生でもあり、憲法や民法は一通りやった(はずな)ので
後輩であるところのcattleya嬢のエントリに、
新鮮な印象を感じたものでいろいろつらつら考えてみますよ。

まあしかし、しょせん「政治学部生」なので間違いは平にご容赦を。
こんなこと書いといたらきっと「憲法に詳しい」kiki様が
何か書いてくれるに違いありません(と煽っておく)。
序文の序の部分(序文の半分以上は後半へのコメントだったので)では「学者の間でも統一見解が出ているわけではない」「さまざまな見方があることを知って欲しい」と書かれていて、ちょっと複雑な気分に。
だって、その「解釈」によって会社を取り潰されたり死刑になったりするヒトがいるわけですよね。(それは憲法じゃなくて法律なのかな)

作るヒト、使うヒト、裁くヒト。そして、研究するヒト。
法を扱うヒトには、ヒトの人生を狂わせる力があるはず。だからこそ自覚的であってほしい、と切に思いました。


法学部生で法学を学んで、いろんな解釈があるということを
当たり前に思っている身としては、
こういう視点はすごく新鮮でした。

とりあえず、憲法の位置づけから。
憲法というのは一般に国の最高法規とされていて、
最高法規というのはつまり、
(一部の例外を除いてその内容が直接個別具体的事例を解決するために
(裁判上)引用されることはありませんが
→具体的な法律など(の条文)が憲法に違反しているかどうか、
という場面では憲法が引用されるものの、
「憲法にこう書いてあるからこうしろ」という道理は通らない)

法律、政省令、条例などを解釈する際には憲法の条文・内容を前提として
解釈し、またその内容や精神に反している法律などは無効となる、
という位置づけだと思います。
まあ憲法の入門書の最高法規性のところを見れば
いろいろ書いてあるのでしょうが、
あえて間違いを恐れずになにも参照しない方針でやってみます。

で、憲法の解釈うんぬんで直接一生を左右される人というのは
おそらくいないでしょうし、
会社を取りつぶすというのは財産権・営業権etcの自由の侵害、
死刑になるかどうかというのは生命の自由の侵害で、
どちらも憲法上保護に値するとされている基本的人権にあたるわけで、
特に死刑になる可能性がある刑法なんかでは
罪刑法定主義として「こうしたら死刑になる(可能性がある)」
ということを非常に明確に法定してあるわけです。

で、なぜいろんな解釈があるかというと、
法律が非常に抽象的な、いろいろな場面で応用が利くような文章になっているのに対して、
現実に起こる事象は様々で、一つ一つのケースがまったく違うから、
というのが、少なくとも大きい部分を占めているのだと思います。
それぞれがより合理的だ、こちらの方が現実に合致している、
こうした方が国民の利益になる、こうしないと理論的におかしい、とか、
いろんなことを考えているがゆえに多様な解釈が生まれてくるのだと思います。
でもそれは、それぞれが法律をよくしていこうと思った結果であって、
むしろ法律家がみな単一の解釈に固まってしまったら
それは全体主義になってしまうし、
多様な解釈があってしかるべきなのでしょう。

理論家がどこまで現実のことを考えているのかっていうのは
なかなか難しい部分もあるし、
現実のことだけ考えていればいいというわけでもないのでしょうが。


まあ難しいことになるとだんだん自分でもなに言っていいかわからなくなるので、
続きは専門家にお任せすることとしましょう。苦笑

たぶん法律っていうのは、Aというケースに懲役5年、Bというケースに懲役10年と
単純にモデルを当てはめていけばいい類のものとは違うんです、
ということ、なのかなぁ。
cerise / たく * むずかしいこと * 22:57 * comments(3) * trackbacks(0)

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コメント

くそう、投げやがって。。。ちょっと宿題にさせてください。

「憲法の解釈うんぬんで直接一生を左右される人というのは
おそらくいないでしょう」というのは甘い気がします。憲法の判例100選の事案を読んでいると、原告たちはこの訴訟に「自己の尊厳ある生き方」を賭けているのではないかと。

法の解釈の話については、まさに法律学界の議論のトポスでございます。来栖三郎だとか、ミシェル・トロペール(まさに長谷部恭男『権力への懐疑』参照)だとか読んでくださいwww
Comment by なかむりゃ @ 2005/07/25 11:50 PM
さすがなかむりゃ先生。
読み応えのあるエントリ期待しておりますよ。
いや、マジで毎回よくあんなに立派なことが書けるなぁと感服至極。

えーっと、言いたかったことは、
裁判でいきなり憲法が出てくるわけじゃない(何かの法律で問題になっているのが前提)っていうのと、憲法の私人間効力の話あたりが不正確に混じっていたような気がします(苦笑
それにしても、もとは別の法律の話をしてても結局最後は憲法の話になるという意味では、やっぱ憲法の解釈うんぬんで一生を左右される人がいないなどと言ってはいけないのだろうね。

ちなみに×100選 ○百選だと思われ。
書名うんぬんの話じゃなくて、「100の判決+評釈」じゃなくて、「百程度の(学習に適する数にまとめあげた)判決+評釈」だと思うので。
憲法とかたしか普通に200超えてた気がするしさw
Comment by たく @ 2005/07/26 12:51 AM
てか固有名詞並べて逃げただけだから(笑)

>×100選 ○百選
がいーーーん、初めて知ったYO!!
考えてみればそうだわな。。。。

>裁判でいきなり憲法が出てくるわけじゃない
労働基本権とか、刑事手続きのところとかは憲法が直接援用される場面な予感。
Comment by なかむりゃ @ 2005/07/26 6:44 PM
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